うつ病で障害年金をお考えの方へ

文責:所長 弁護士・社会保険労務士 伊藤美穂

最終更新日:2024年09月02日

1 こんなお悩みありませんか?

☑ うつ病でも障害年金をもらえるのか知りたい

☑ 自分の症状が障害年金をもらえるくらいの重さなのか分からない

☑ うつ病で障害年金を申請したいが手続きが難しくて分からない

☑ うつ病でフルタイムでは働けず収入が減ったが、働いていても障害年金はもらえるのか知りたい

 →うつ病についても、条件を満たせば障害年金の受給が可能です。

2 うつ病に関する障害年金の認定基準

⑴ 障害等級

 うつ病の障害認定基準は、「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に記載があり、以下のように認定すると定められています。

 1級:日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの。

 2級:日常生活が著しい制限を受けるか又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの。

 3級:労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの、及び労働が制限を受けるか又は労働に制限を加えることを必要とする程度の障害を有するもの。

 なお、3級は、初診日に厚生年金に加入していた方のみが認定される可能性がある等級です。

 

⑵ 精神の障害に係る等級判定ガイドライン

 かつて障害年金の審査は都道府県別に行われており、障害認定基準だけでは認定に地域差が生じていたため、より適正な等級判定のために「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」が定められています。

 ガイドラインでは、精神の障害用の診断書に記載されている「日常生活能力の程度」の評価及び「日常生活能力の判定」の評価を点数化し、その平均値の組み合わせから目安となる等級を求め、さらに様々な要素を総合的に考慮して等級が決められることになっています。

 「日常生活能力の程度」は5段階で評価されます。

 また、「日常生活能力の判定」は、①適切な食事、②身辺の清潔保持、③金銭管理と買い物、④通院と服薬、⑤他人との意思伝達及び対人関係、⑥身辺の安全保持及び危機対応、⑦社会性の7つ項目について、日常生活能力を4段階で医師が判定します。

 うつ病のような精神疾患場合には、肢体の障害や内臓の疾患のような客観的な数値で判断ができないため、医師の判断や評価が重要になります。

 参考リンク:厚生労働省・『国民年金・厚生年金保険 精神の障害に係る等級判定ガイドライン』の策定及び実施について

3 うつ病で障害年金申請する際のポイント

 うつ病をはじめとする精神疾患は、時間の経過や主治医の交代等によって、傷病名が複数回変更されることがあります。

 うつ病と診断される前に他の精神疾患や神経症等と診断されていた場合、それらは一連の傷病として取り扱われ、それらのうち最初に受診した日がうつ病の初診日となる場合が多いです。

 また、初診日から時間が経っていて転院の回数が多いと、初診日の証明が難しいこともあります。

 等級の認定に重要である「日常生活能力の程度」の5段階評価及び「日常生活能力の判定」の7項目の評価を適切にしてもらうためには、それらの項目について、実際の症状の重さや日常生活の状況がどの程度かわかるように医師に伝えた上で、診断書を作成してもらわなければなりません。

 そして、医師に話した自分の状態がきちんと医師に伝わっているのか診断書の内容を確認し、誤って伝わっていた場合にはきちんと医師に伝えなければなりません。

4 うつ病と障害年金に関するQ&A

Q うつ病で精神障害者保健福祉手帳(障害者手帳)を持っていますが、障害年金をもらえますか。

 精神障害者保健福祉手帳は、基本的には障害年金とは別の制度です。

 審査している機関も異なりますし、障害年金には初診日要件や年金保険料の納付要件があるなど要件も違っています。

 障害者手帳を持っていなくても障害年金を受け取れることはありますし、障害者手帳を持っていても障害年金を受け取れないこともあります。

 

Q うつ病になり、障害者雇用で働いていますが収入が少なくて生活できません。働いていても障害年金はもらえますか?

 うつ病等の精神疾患の場合、就労していることが等級の認定に影響を与えることは間違いありません。

 しかしながら、就労継続支援事業所や障害者雇用の場合、働きながら障害年金を受給できる場合が多いです。

 また、一般雇用であっても、職場の配慮によって仕事の内容等が限定されていたり、補助する人を配置してもらっていたり、体調によって欠勤や早退を認めていたりする場合には、働きながら障害年金が受給できる可能性があります。

5 当事務所にご相談いただく場合の流れ

 当事務所にご相談いただく場合には、まずは相談受付に電話かメールでご連絡ください。

 障害年金のご相談の受付を行わせていただきます。

 次に、障害年金担当から基本的な相談内容やご事情を伺い、相談日程の候補などを伺って、ご相談の予約をさせていただきます。

 その後、障害年金の専門家とのご相談の際に、ご質問への回答、障害年金の見通しや認定されるために必要なポイント等をご説明いたします。

 相談後、弁護士法人心にご依頼いただく場合には、契約書等の必要な書類を説明の上でご本人にご記入いただき、身分証明書で本人確認を行わせていただき、正式なご契約となります。

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