精神疾患における障害年金に関するQ&A

文責:所長 弁護士 伊藤美穂

最終更新日:2021年12月16日

精神疾患における障害年金に関するQ&A

Q精神疾患でも障害年金を受け取ることができますか?

A

1 精神疾患と障害年金

 精神疾患でも障害年金を受け取ることはできます。

 障害年金上の精神障害は、「統合失調症、統合失調型障害及び妄想性障害」「気分(感情)障害」、「症状性を含む器質性精神障害」、「てんかん」、「知的障害」、「発達障害」に区分され、障害認定基準に例示されています。

 例えば、うつ病、躁うつ病(双極性感情障害)、統合失調症、知的障害、発達障害(注意欠陥・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)など)、脳血管障害などによる高次脳機能障害、てんかん等などにより障害年金を受け取ることができる可能性があります。

 神経症は、その症状が長期間持続し一見重症なものであっても、原則として認定の対象とならないことが認定基準に示されていて、適応障害や人格障害は原則として認定の対象になりません。

 ただし、臨床症状から判断して、「精神病の病態」を示しているものは、統合失調症又は気分(感情)障害に準じた取扱いとして認定されることがあります。

 適応障害や人格障害、境界性人格障害においても、症状によっては認定される可能性があります。

 

2 精神の障害の認定基準の目安

 精神の障害の認定基準における障害の状態はどのようなものでしょうか。

 精神の障害により日常生活において、常にサポート、他人の介助が必要な場合には、障害等級の第1級が認められる可能性があります。

 精神の障害により日常生活に著しい支障があり、サポートが必要になることがある場合には、障害等級の第2級が認められる可能性があります。

 精神の障害により労働するのに著しい制限がある程度の障害がある場合には、障害等級の第3級が認められることがあります。

 

3 日常生活能力

 では、実質的にはどのように介助やサポートの必要性等を判断するのでしょうか。

日常生活能力においては、①適切な食事、②身辺の清潔保持、③金銭管理と買い物、④通院と服薬、⑤他人との意思伝達および対人関係、⑥身辺の安全保持および危機対応、⑦社会性、の7項目について、1~4の数値に置き換えて4段階評価をして平均値を算出します。

 判定においては、単身で生活することが可能かどうかで判断し、家族や同居人からの支援がない状態で判断します。

 提出済みの書類だけで判断できない場合には、「日常生活及び就労に関する状態について(照会)」という参考書面の提出を追加で求められる場合もあります。

 このように、一定の精神疾患により認定基準を満たす場合には、障害年金を受け取ることができる場合があります。

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